番外問題外武器
このファンシー極まりない箱は、私が自作したオートハープ用のハードケースである。昨秋のオートハープ購入以来、それを収納するものがなく頭を悩ませてきたのだが、一念発起し自作することにした。目下のような100年に一度のみぞゆうの経済危機の時代には、米とかイモとかもろこしとか、そしてオートハープのケースとか、作れるものはなるべく自作しよう。するがよい。
しかし、うむ。ハードケースというとそれは何とも語弊があるかも知れない。ま、はっきし言って布張りの木箱です。
私は木工が苦手。中学生の時の工作かなんかの時間に組み立てた4本脚の小物置きはガタガタだったなぁ。ガタガタのガクガク。小物を載せると崩壊。
問題点はいろいろあるのだが、まず、ノコを真っ直ぐに挽けないのであるな。切り口は妙なカーブを描くのだ。あと、そもそも設計もいい加減なのだな。工作適当人間なのだ。そんな性格は今もちっとも変っちゃいないさ。
で、そんなして切り出したパーツを組み合わせてみると、笑っちゃうくらいガタガタな枠が出来るわけだ。で、そこでこの工作活動に当たっての基本コンセプト・基本スローガンを初めて設定するのだな。
「隙間はボンドで埋めちまおう!」
「問題はボンドで解決!」
まったく場当たり的な姿勢で生きてます。ということで全てボンドで解決しながら先へ進もう。木枠と、もともとオートハープの梱包に使われていた発泡スチロール型をそのまま利用するとして、木工用ボンドでべたべたと接着する。
しばし放置の後、乾燥した木枠上下を重ね合わせてみて軽く目まいを覚える。凄い隙間が生じている。上下が全然合ってないし。隙間からオートハープ見えちゃうし。
なんという設計ミスだろうか&切り出し技術のなさであろうか。カンナで削りまくる。発泡スチロール型も飛び出た部分などカッターで削ぎ取りまくる。ついでにこの辺りの工程で指先を軽く切って血も出ちゃう。
まぁ、なんとか上下を合わせても中身が見えないくらいに隙間を改善し、表面に手芸店で購入してきた布を貼り付け化粧する。理想的にはイタリア製の革製トランクみたくしたかったのだが、予算の都合上、デニム生地のようなものだ。理想との凄まじい落差。
内装として、発泡スチロール型には100えんショップで購入してきたフェルトを貼り付ける。オレンジとブラウンのおしゃれツートーンである。この辺りの工程も、まさにボンドまみれである。
で蝶番をとりつけて上下の枠がカパカパとなるようにして、留め金を取り付けて、角を補強して、おお、なんとなく様になってきたぞ凄いぞと、しかしこの辺りの工程、使用した木ネジのネジ山つぶしまくりである。いつか分解の必要に迫られたときどうするんだ。
そして、賢明なる読者諸兄に至りましては既にお気付きのことかと御推察いたしますが、私といたしましても重大な事実にぶちあたる。
「取っ手がねーよ。」
・・・・
大体、しかも取っ手取り付け側の板、めちゃくちゃ薄っぺらだし(蝶番側は厚いのですがね)。
まぁ、いいや。いや、よくねーけど、まぁ、いいや。もう、いいし。
・・・・
外に持ち出すことのないようにしよう。
(製作日数:2週間)