ギターのピックアップ


 20年前くらいに、生楽器用の簡易なピックアップを購入し、今も所蔵している。当時、何か演奏会(ライブなどと言い換えてもよい)の折に、マンドリンか、あるいはクラッシックギターをアンプに繋ぐ用途で購入したと思う。


 何という品番かよくわからないのだが、GUYATONEのGP-5Aというブツにそっくりなのでそれなのだろう。まぁ、そもそも録音やらライブやらで使えるような品質とは思えないのだが、では何ゆえにこのプロダクトの存在意義があるのかと言えば、生楽器の音を電気的に増幅できる、という本質に尽きる。どんな音で、というような小賢しいことを問うてはなるまい。


GUYATONE GP-5A アコギ用ピックアップ

GUYATONE GP-5A アコギ用ピックアップ


 さて、20年の間に経年劣化が進んだか、それとも前からそうだったのか、音はぱっとしない。何と申しましょうか、薄っぺらい。そして低音のノイズが「ぶーん」と鳴っているのは、このタイプのピックアップの特徴でしょうか(アースをとればよいのですが)。


 まぁ、長年、手持ちの楽器の生音を電気的に増幅する必要もほとんどなく、音声を記録する際にはマイクで収録すれば良かったもので、この手のものをほとんど必要としてこなかったですが、事情が変わった。ループマシンというものを昨年あたりから所蔵しており、楽しく遊んでいたものの、どうも気に入らないのです。入口がマイクというセッティングが。


 マイクで楽器音を拾い、ループマシンがそれを記録し、延々とループさせ、アウトプットする。単純だ。が、入れたつもりの音と出てくる音が同じ音である気がしない。安定しない。


 まぁ、楽器とマイクとの距離とか角度とか、常に一定ではないし、その時々の良く言えば「空気感」悪く言えば「雑音」みたいなものも連れてきちゃうし、仕方ないのかもしれないが、どうも気分がすぐれない。フィーリングの問題だね。良い時もあれば悪い時もあるという。


 ということで、楽しく遊ぶためにピックアップを新規に導入することにした。「生音」というものは否応なく犠牲になるが、気分がすぐれないよりはよかろう。


 いろいろ検討し、フォークギターとブズーキにそれぞれタイプの異なるものを装着してみることにする。


 フォークギターには、昨今何かと話題のレアアースというやつである。フィッシュマンというメーカーの製品で製品名がレアアース希少金属使っているわけではないと思う使っているです。希少〜。マグネチックタイプというやつで、そのシングルコイルのタイプ。アクティブなのでプリアンプは必ずしも要りません。



 その辺のAC電源とか、蛍光灯とか、その辺りの影響でノイズを発生しやすいのがシングルコイルの特徴かと、実際そう感じますが、音はブライトで厚みがあり悪くないと思います。今までと比べると雲泥の差だぞ。


 ブズーキには、シャドウというメーカーのピエゾ2個付きのものを導入する。ブズーキのサウンドホールがちっこくて、表板の裏の狙ったポイントに貼り付けることが至難の業である。それは計算外であったが、表面に取り付け露出させておくのはダ・ダサすぎる気がして無理してサウンドホールの穴から手を突っ込んでみた。手の甲は擦り剥けて血が滲んだよ。



 よく考えると、こうしてサウンドホールから配線が出てくるのもダ・ダサすぎる気配が十分みなぎっているが、もう後には引けません。


 音は、値段相応のナチュラル感です。高域より中低域の方が出ている気がするが、表板裏の狙ったポイントにピックアップを貼れていないのだからこの感想はあてにならないかもしれません。プリアンプで補正も効くかもしれないし。しかし、もともと過度にシャリシャリした音の楽器なので、却って良いと考えることも、できるかもしれない。低音の「ぶ〜ん」ノイズはあるので、使用する方は必ずアースを考えることになるだろう。私はしますよ。


 レアアースはフォークギター以外に取り付かないのだが、シャドウはどんな楽器にも取り付けられる。まぁ、ブズーキからの取り外し及び再装着の度、私の手の甲に血が滲むことになるだろうが、必要があれば、それは可能である。


 さて、そんなことで、それぞれループマシンに突っ込んで遊んでみる。


 おお。


 そうそう。多くを望むわけではないが、これは十分な効果だと言えよう。入れた音が出てくる。その辺の安定感というのは、電気の特質だね。いいぞ、電気。(結論やや意味不明)


FISHMAN Soundhole Pickups Rare Earth Single Coil Pickup レア・アース (Single)

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