ギター道あれこれ


 ここしばらくギターなどを熱心に弾いてみている。じゃかじゃん。脳内イメージ通りに弾けぬ、小技も大技もきかない己の技術のなさに改めてどんよりとする。どよ〜ん。


 ま、考えてみれば色々な生き方があったとは思う。もちろん「俺はギターの小技使いになるぜ」というような決意のもと、日々精進を重ねる生き方もあったろう。一日一歩、三日で三歩の進歩があれば、例え三歩進んで二歩下がっていたとしても、今頃はワンツーパンチの使い手くらいにはとっくになっていたはずだ(365歩のマーチ by 水前寺清子より)。


 しかし、私は私がまだナウなヤングだった時代に「ふっ、俺のプレイに技術はいらないさ」と、強いて言えば多少パンク的な、根拠のない決意をしてしまったものだから、もう、それはもう、練習というものをさっぱりしなかったものです。うん、した覚えないね。本当に。


 その当時、目指していたものはヴィジュアル&パフォーマンス重視な方向だったですが(美と前衛ね)、時を経て、おっさんになって、ヴィジュアル&パフォーマンス重視な方向から、完全に、全面的に、落伍し、脱落し、敗退し、撤退し、遁走した段になって気付くです。テクが、テクニックが、ねぇ。テクが、テクニックが、欲しい。せめて基本がしっかりしていれば話は別だろうが、そこがすべて自己流である。お話にならん。少なくとも私がまだナウなヤングだった時代にyoutubeでもあればなぁ、それ見てギターの基本とか、ちっとは学べたかもしれんなぁ。


 ということで、こんな風に弾けていたら人生楽しいぞ、と思ったプレイです。



Hindi Zahra


 こういうプレイが好きだ。さらっとこんな感じで弾きこなせれば理想形である。こんな風に弾きたいのである。このビデオの演奏は歌もギターもとても良いと思うのですけれど、アルバムは極めて真っ当過ぎてあんまりおもしろくなかった。まぁ、それは私の価値観である。ちなみにアルバムのレーベルは名門Blue Note。うん。私には縁のない世界かもしれない。


 おっと、Hindi Zahraは歌っているねーちゃんの名で、ギター弾いているにーちゃんの名は知らぬ。多分、そういう無関心極まりない態度も上達につながらない遠因かもしれない。しかし、男の名になど興味がないのだから如何ともしがたい。



Zaz


 アルバムが出ていて、タワーレコードのワールド棚でも昨今プッシュされておった。ファンシーでお上品でないフランスものは好きだね。アルバムの何曲か、ビデオにも映るマカフェリ・ギターが響き渡るような曲が、とりわけとてもよい。エレキやピアノが伴奏するような曲も入っているが、ガクっとつまらなくなる。普通で。まぁ、それは私の価値観ではある。


 こういうプレイもイーネ。マカフェリ・ギターであるが、マヌーシュ・スウィング、つまりロマ系のジャズ系の音楽で活躍するギターですね。一度奏でてみたいものである。どんなものか。私が自己流の果てのプレイで挑んだとしても、音としてはこういう音が鳴るものなのか。鳴るんだろうな。音は。ちなみに、普通のギターで挑んでも、決してこういう音は出ません。少なくとも、私のプレイでは。


 おっと、Zazは歌っているねーちゃんの名(通称?愛称?)で、ギター弾いているにーちゃんの名は当然のように知らぬ。あ、ダブルベースのにーちゃんの名もね。こういう無関心極まりない態度が上達につながらない遠因と、確信に近いものを感じだしているが、男の名になど、本当に興味がないのだから私に出来ることはない。


 ということで、私は私で自己流の果ての果てを漂流し続けるしかあるまい。ナウなヤングだった時代にヴィジュアル&パフォーマンス重視な方向にさえ行かなければなぁ。その時はこりゃイケル!と思っちゃったんだよなぁ。今、そっち方面に行っちゃってるナウなヤングさんは、おっさん化後の出口戦略もしっかりと描くべきだね。