閃光 UA


2002年作品「閃光」(作詞・作曲 UA


歌詞 ( uta-net 提供)


 私の所蔵するところ3バージョンがある。


CDシングル



アルバム『泥棒』所収



ライヴ・アルバム『空の小屋』所収



 シングルではアレンジをエレクトロニカ・アーティストRei Harakamiが手がけ、闇に光の花が咲くような、超現実的にも感じ取れる音の世界を描く。


 アルバムでは一転して、ASA-CHANGの叩くタブラ・バーヤの呪術的なリズムと、アコースティック・ギターストロークが、曠野に吹き渡る風のようなサウンドを醸し出す。UAの歌唱は高低を縦横に駆け巡り、異様なテンションで暗い曠野に光を放つ。


 ライヴ・アルバムでは基本的にアルバムと同じアレンジのセットだが、そこに勝井祐二(ex. ROVO)のヴァイオリンなどが加わり、壮絶な、筆舌に尽くしがたい演奏を繰り広げる。これは演奏という名の爆発だな。肉体の内部で起こった核分裂によって言葉や理性を超えた官能が全周に放射され、その凄まじいエネルギーに呆然とさせられる。俺の心にも生命への畏敬の灯が燈るのを感じ、もう、言葉がない。


 歌詞は読めば分かるように性的なメタファーを含むものだが、それを詩的な世界へと昇華させている。ダークな彩色のグラデーションの中からイメージが溢れ出してくるようだ。生と性と世界を美しく、凄まじく謳いあげた一曲。まったくこの人の声はどこから出てくるのだろうと思わずにはいられないけれど、きっと、内部の、生命と密接にリンクしたところから湧き上がってくるのだろう。それを人はブルースやソウルやロックと、それぞれにとっての呼び方で語るだろうが、そんなカテゴリーはどうでもよくなってしまう。


 人生を通して女心が本当にさっぱりわからない俺にも言葉を超えて入り込んでくる曲。