CRAZY KEN BAND GALAXY TOUR 2K6


 10月28日、クレイジー・ケン・バンドのコンサートに行って来た。楽しかった。


 小学生の日記だ。まぁ、昨今の世相はこういうイチかゼロか的な思考が氾濫しているし、よしとしているふりもあるので、そんな文章の垂れ流しでも充分オッケーだろう。


 しかし、だ。クレイジー・ケン・バンドの世界は、横浜を舞台にし、ちょい悪なオヤジを標榜しつつ、そこからコネクトするギラギラしたラテンやら、アジアやら、アメリカやらを飲み込んだ唯一無二なものなのだから、小学生レベルの「楽しかった」で要約することは、これ、やや失礼、無礼なわけで、ちょっと官能を見ちまったとか、グルーヴ不感症の俺の身体が動いちまったとか、長生きしてヨカッタだよナンマイダとか、惚れたぜコーラスの娘さんとか、ちょっとシアワセとか、知性を感じない言葉の羅列であろうと去来する感情を記したいものだ。そこにはいろいろなベクトルの感情が要素として含まれるだろう。なにせ横浜の雑食文化を味わっているのだし。


 私にとってクレイジー・ケン・バンドの曲のよさは、一曲一曲に情景を想像できるストーリーがあるところで、これは昭和中期から後期の歌謡曲の典型的な作りだと思う。でありながら、このグローバル化した世界が抱えるヴィヴィッドな情景をリアルに、ユーモラスに、頭というより身体で、やや下半身に重点をおいて描いているところが素敵なのです。ムッシュー・セルジュ・ゲンズブールを思い出します。


 ライヴでもそうしたこってりとした演出麗しく、楽しい一夜を過ごすことが出来ました。あっぱれ東洋一。


 帰宅して神奈川県地図を見る。なるほど、横浜から横須賀、逗子の辺までクレイジー・ケン・バンドの領域(競合するバンド多いけれどね)。そこから西は巨大かつ強大なサザン・オール・スターズの領域。とすると、川崎という空白域が残る。この魔境を描くバンドご存知ないか?