新キャラ登場


 すっげーどーでもいーこと。


 さかなクンは魚のことなら何でも知っている。魚について「さかなクンが言っていたよ」と一言添えると「さかなクンが言っていたなら本当なんだ」と大抵の人は納得する。なので、さかなクンの名を騙った嘘・法螺話は非常に通りがよいと実感する。お茶の間にとって魚のオーソリティー、それはさかなクンである。


 と、別にさかなクンについてなにか言いたいことがあるわけではありません。さかなクンにはさかなクンで頑張ってほしいと思います。明るいし、料理上手だし、絵も上手だし。


 私が思うのは、世間はさかなクンの存在だけで事足りているのだろうか、ということである。ミートやヴェジタブルについての疑問を晴らしてくれる何某が求められはしないだろうか。心配です。


 そこでその登場を請うのがこの方である。ズバリ!


 肉くん


「肉」は漢字に「くん」は平仮名にして見ました。


 肉くんは肉のことなら何でも知っている。生肉をチョロっと見ただけで部位はもちろん産地までわかるのだな。まぁ、その程度だとプロのお肉屋さんなら当然の知識だろうが、肉くんの肉くんたる由縁は食いしん坊の点である。とにかく肉が好き。好きな言葉「肉」、座右の銘「肉」、車のナンバーは「29」、今年一年を漢字一文字で表すなら「肉」。
 だが、その程度ではお茶の間に安心感を与えることに成功したとしても、とても肉のオーソリティーとは言えないだろう。更に肉くんのスッゴイところは、どんな肉でも喰う。


 私は赤身白身を平気でいただきながら「いやん、内蔵苦手」とかうそぶく輩が意外とこの日本を席巻していることを知っている。
 肉くんならばそんな風潮に毅然とした態度で立ち向かってくれるだろう。彼は赤身白身だろうが臓物だろうが脂肪だろうが血だろうが骨だろうが、遠慮なく、容赦なくいただく。


 かつて本多勝一はその著書『カナダ・エスキモー』の中で、カナダのイヌイットと生活を共にし、狩りに同行した際、彼らが仕留めたばかりのカリブーの生腸をうどんでも食うかのようにズルズルっと食っているのを真似たところ、口の中一杯に糞の風味が広がりまったく食えなかったと書いていたが、肉くんならばそんなもの、ものともしない。


 それどころか肉くんは、およそこの地上に存在するあらゆる哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類を制覇することをライフワークとしているのだ。自分でハントするし、自分でさばき調理する。


イヌ?近所の奴何匹も食ったよ。
イタチ、あぁ勿論食った。てんもおこじょも食ったよ。
オカピオカピは美味い(昔、実際に現地の長老がテレビでそう言っていた)。
ペンギン、よく脂がのっていたよ。
コモド・ドラゴン、チト皮が硬かったな。


 肉くんは放っておけば保護獣などにも手(舌)を出してしまうので、その点、少し注意が必要だ。放し飼い禁止だ。それに上のインタヴューでもわかる通り、さかなクンと対照的にワルの魅力を前面に押し出している。肉喰ってるんでね。


 お茶の間は肉くんというホンモノが語る、いきいきとした、行き詰まる肉の描写の前に言葉を失うだろう。
「まぁ・・・肉くんがそうおっしゃるのならねぇ、ホホホ・・・」という感じだ。


※姉妹キャラ


 草木っちゃん(野菜ほかあらゆる植物担当の無害キャラ)
 ムッシー(昆虫のことならお任せ。子供の人気者を装い、喰いまっせ、虫を)


 で、何が言いたいのか、別に、思いついただけです。ですので、あえて丸く収めず全くまとまりのないこのままで。