エレガントな書斎から日報


 部屋を片付けよう。男なら、大仕事の前には自分の部屋を片付けるもんだ、と、昔の偉い人だって言っておるはずだ。ん、誰が言ったかは知らん。


 私の書斎であるが、老朽化した建築物の二階であるため、重量物は良からぬ、と、これは実在する昔の人々から説教されたため、蔵書だとかレコードといった、まとまると結構重いものの類は建築物の一階に退避させられており、ほとんど書のない書斎となっている。


 壁面には諸々の楽器が天井からぶら下り、床には太鼓やら直径48センチの金たらい(ウォッシュタブ・ベースとも呼ぶ)やらエレキギターのケースやらアコーディオンやらがごろっと転がり、その光景は書斎というより物置である。


 更に、既にCDやらMDやらを収納していたところが完全に飽和しており、上へ上へと積み上げる生活をこの一年ばかり送っていたが、ここで一念発起し、棚を作ることにした。5層構造で、A4書籍、MD、CD、ちょっとした楽器などがそこに収納できる設計だ。それにより空く箇所へごろごろ転がるごろつきの楽器くんたちを収納し、私の書斎はよりエレガントさを取り戻す予定だ。


 通りすがりのカインズホームで板を買う。


 帰って来て電気ドライバーを使い木ネジをねじ込む。あっという間に、あ、「あっ」という間に棚完成。さすがの男だぜ。


 早速もろもろを収納し、ビールなど飲みながら眺め、一人悦に入る。悦に入りながら、何の気なしに少し、棚を側方から突っついてみる。


 グラっ。


 軽く突っついただけなのに5センチ近く傾いた。まぁ、そのくらいどうってことないだろう、と思いつつも、もう少し強く突っついてみると、驚いたことに10センチは傾いた。これはいかん。まるでピサの斜塔以上の傾き、危機的な状況である。


 設計ミス発覚。背中を固定するのを忘れていた。そんな材料購入してねーよ。こうなりゃと、ネジの量を倍増する。まぁ、いいだろう。こんなもんで。そういや確かに工作の成績うんと悪かったよ。子供の頃。


 さて、大仕事であるが、別に、ホームレコーディング(最近、宅録と言うね)するだけである。が、金たらいベースのような幅をとる楽器も弾くつもりなので、お部屋の片付けが急務だったのだ。しばらく何曲か制作するつもりなのです。