極北の感性
5月30日、移動式音楽班のホームページに「寒い国 EDITION#1」という、言葉とも音楽ともつかない、とりとめのないものをアップロードした。よかったらお聴きください。
以前、公開した「寒い国の老人の額に深く刻まれた皺に捧げる」という曲を軽〜く編集したものです。意図して制作するわけでもないけれど、こんな風にして、一つの録音物から複数の編集版が出来るような作りを理想としています。
「寒い国」というと、北欧とかロシアとか、アラスカとかグリーンランドとか、アイスランドとか思い浮かぶ。
とにかく、世界地図の上のほうだ。
世界地図の上のほうを眺めていると、町とかも少ないし、寂しそうな、静かそうな、冷たそうな景色が浮かんでくる。
ぶるる。
1.以前、アキ・カウリスマキの映画を見ていたら、ヘルシンキ(映画の中では架空の町)の冬の野外でごろんと寝て、朝何事もなくムクっと起きるシーンがあり、「死ぬだろ?」と思った。
2.私は世界地図ファンだ。「週刊世界地図ファン」のような雑誌があれば定期購読する覚悟だ。そんな私だが、ロシアの北極海にあるノヴァヤゼムリャという島が子供の頃(その頃はソ連だった)から気になって仕方がない。
まず、名前がむにゃむにゃしていて良い。ノヴァヤゼムリャ。次に、かたちが良い。どんな人たちが、どんな風に暮らしているのだろう。
※核実験場だったそうです。→こちらを参照あれ
3.アラスカだかグリーンランドだか、極北の先住民の伝承音楽芸能。
丁度、顔の横幅くらいの木の棒を横向きに口の中へ突っ込むと、両頬が膨らみ、口は横広に開く。目も心なしか垂れる。笑っているように見える。おかしな顔だ。
その状態で歌う。ほにゃほにゃした歌になる。おかしな歌だ。見ている人達に笑いの渦が広がる。
(※注意、尖った棒で試すと頬を傷つけます)
そういうスマイリーな人たちがいるらしいのだが、心理学者の分析では、そんな人たちも実は、猜疑心が強く人目を気にする傾向があり、スマイリーなのはその裏返しなのだとか。
一人の部屋でやってみると自分の阿呆さ加減に笑えてくる。
4.アイスランドは北極圏の火山島だ。温泉が豊富らしい。
温泉に入ってビール飲んでイモ食ってる写真を見たことがある。背景が「荒涼」の二文字そのままの景色だとしても、それは何だか楽しそうだった。
ビールとイモはこの世の真実の一つに違いないぞ。
私の暮す地方も冬は寒い。
寒いこと、このうえない。冬、野外で寝たら死ぬ。
感性は風土によっても育まれるのだろう、と少しだけ思う。