バグパイプ虫
衣替えの季節。衣類の害虫くん達も活発に活動中かとお察しします。
調べてみると連中は気温20度前後の環境で、季節を問わず活発に活動するらしい。
虫がうようよいる情景って、うわぁ、かゆい。
顕微鏡で覗いたカーペットのダニの図とか、植物の茎にびっしり取っ付いたアブラムシとか、痒い。痒い。
更に気絶しそうになるのがウマバエの幼虫で、馬の胃等に寄生するらしいが、熱帯の密林などで人間にも寄生するらしい。その絵たるや、痒さを通り越し、身の毛もよだつぞよ。
こんなやつだ。(ウマバエの幼虫、Kansas State University のホームページより、気持ち悪いです)
さしたる理由もなく「私が悪かった」と土下座したくなる心境にさせられる。
あたしゃあ別に虫が大嫌いというわけではちっともない。ただ、不意を突かれたくないだけだ。「あ、アブラムシ」と、アブラムシを一匹発見し、つまんで撲滅しようと思ったとき、葉の裏にびっしりくっついているのに不意に気付く。いやぁな気分じゃあないか。
所蔵楽器で、ギリシャのアテネにて調達したGaidaなるバグパイプがある(写真)。
そうそうしょっちゅう吹いたりしない楽器で、かたちも皮袋にパイプが2本、吹き口が1本ぶら下っているような、だら〜っとした構造なので、押入れにしまっていた。
ある年「さぁーて、久々に吹くか」と押入れから取り出した。
吹き方であるが、皮袋を脇と腕ではさみ、旋律用のパイプを両手の指で押さえ、吹き口をくわえて皮袋に息を吹き込む。吹き口の内部には皮でできた逆止弁が付いていて、皮袋内部に息を吹き込めても、皮袋内部から吹き口へ向かっては空気が逆流しないようにできている。
皮袋に空気が充満したら抱えた脇と腕を絞る。すると空気が旋律管へ押し出されて音が出るのです。
だが、音が出ない。ウンともスンとも言わない。
あれ〜。
旋律管を外して見てみる。
ん、やけに粉々しておるな。なぜ粉?
疑問符と共に皮袋を見る、
ぎょえー!
皮袋に取り付いた虫、虫、虫。表面にくっついてるんじゃなくて、皮にめり込んだように取り付いているので気付かなかったよ。
こんなやつだ。(ヒメマルカツオブシムシの幼虫、名古屋市衛生研究所のホームページより、気持ち悪いです)
取る、取る、取る。
うわぁ、皮袋喰われるところだったぞ。よかったぁ、穴開けられなくて。
だが、再び疑問符に戻る。
なんで管が粉々していたのだ?
ピーン!鬼太郎のアンテナみたいなものが俺の頭にも立った。
皮袋内部にもいるに違いない。あれは連中が皮を喰い荒らした粉だ!
管を外した状態で吹き口から思いっきり息を吹き込んでみた。
すると、管を装着する穴から、
どばぁっ!数十匹の虫どもが!
ぎょえー!
それから、ヒメマルカツオブシムシ@バグパイプ掃討作戦が始まった。
揺する、振る、叩く、香を焚く、タバコの煙を吹き込む…
そして、奴らの夥しい数の死骸が作業を行なっていた新聞紙の上に残された。
痒い、痒い、かゆーい!
バグパイプの保管は風通しの良いところで行なわなければならない、という教訓を忘れはしない。
衣服もです。