お口大変記
この世界で善良に暮す一民間人のやり場のない怒りというものは何にぶつければよいのだろう。
今回紹介したいやり場のない怒りはこれである(今まで一度も紹介したことないけどさ)。
お口の中が大変。
尖がった歯でお口の中を噛むと痛いですよね。ホントに痛いですね。アタマに来ますよね。前後のつながりなく「だからやなんだよぉ」って呻いてしまいますよね。
力いっぱい噛むと血も出る。お口の中は柔らかく出来ているのでザクっと傷ついている。3〜4日は沁みたりして痛いものだ。すこし腫れているのかもしれない。すると、また同じところを噛んでしまう。イテー!「だからやなんだよぉ」もう、本当にド頭にくるぜ。
更にもし、そのとき口内炎を患っていたなら、それはもう、春のド頭に来る祭りinお口の中、というような状態になろう。怒り倍増。レモン、酢の物、ワインなどを召し上がるとマジで涙が出るだろう。沁みて。
そこへきてだ、あなた、今晩はグラタン作ったの、召し上がってくださいな、おお、それは我輩の大好物なのだ、では早速、というような状況に置かれたならば如何に。聡明なる読者諸兄は「ふーふーして食えよ」と案じられているに相違ない。しかしだ、グラタンは我輩の好物なのだ、では早速、と申しているとおり、マカロニを4・5本スプーンで掬うとガバっと頬張ってしまうのだ。
あちっ!
あちいけどマカロニの4・5本など、連中の出方はわかっておるわい。はっはっは。聡明なる読者諸兄も安堵されたことだろう。少しあちいが食えるな、と、なぜかグラタンの具に入っているカボチャをマカロニを食う要領で気軽に口へ運ぶ。
うわあちぃい!噛めん!飲み込めん!息が出来ん!はふはふ。
根菜類はなぜゆえにこれほど熱くなるものか。おそらく摂氏200℃くらいまで上昇しているに違いない。今度はお口の中やけどである。マカロニはカボチャのおとりだったのだ。おお、なんと卑劣な。
あぁ、口惜しい。無性に腹が立つ。何に怒りをぶつければよいのだ。悪いのは誰だ。俺さ。ああ、口惜しい。