内職の日々

CD Sample



 CDデビューを果たすことにした。


 といっても自分で作りました感ありありの限定版自主制作品をこしらえたにすぎない。自力です。手作業です。我ながら、うましかものよのぅ、と遠くを見つめ呟きたくなる。


 いや、正確に言うと現在進行形で作成している。まるで内職だ。いや、これは形容される体のものでなく、ソリッドに内職だ。本当に純度100%保証つきの内職だ。


 ふー、材料調達費用は案外かかるもんだな。CD-R、CD空ケース、ジャケット用紙にA4のフォトペーパー(光沢)、CDの裏ジャケにフォトペーパー(マット)、包装袋、インク、中綴じホチキス(便利!)など。


 うわぁ、ジャケットを両面印刷したり、紙を裁断したり、歌詞を中綴じしたり、折ったり曲げたり、嫌になっちゃうような手間がかかるもんだな。


 まったく、すっげー昔にカセット・テープを自主制作したことなどがありありと偲ばれる。つまり、当時とそのメンタリティにはほとんど変化がないということだ。


 当時と今の違いはパソコンの有無だな。なんとなくそれっぽくはなるが、macを使えば自主制作もホラ、こんなに簡単、などということはない。決して。はっきり。断言する。


 で、来る4月14日のガレフェス(於、銀座TACT)にて販売するのだ!


 売れねーだろうなぁ。売価は、冷静に考えて300円っつうもんだろうな。それが限界だろう。19曲収まっているので一曲単価は15.8円である。


 というように、パッケージ化されたものを制作するならば「モノ」というカタチへのフェティッシュなこだわりが確かに昇華されるものの、一曲15.8円のCD-Rを内職のようにコツコツこしらえる労力を思うと、モノのカタチにこだわらぬWEB上での無償配信という方がスマートでいいんでないの?と思っちゃう。


 作るのなら中身とデザイン以外は専門業者にお任せして、しっかりとしたものを作る方が良いに違いないということがわかりました。家内制手工業から工場制機械工業へ産業革命を図るべきです。この場合、単価はそれなりに跳ね上がるだろうね。家内制手工業にとどまりチープな線で行くのなら、ジャケなど作らずに剥き出しのCD-Rで100円とか、そういう線がよろしい気がします。


 と、内職しながら思いを巡らすこの頃なのです。