休日、特殊ギターを弾く男の巻

擦弦弓奏ギター



 昨日は久しぶりに、終日、楽器を弾いた。弾いて弾いて弾きまくった。アンド、少し歌も歌った。一体、な〜にをやっているのかというと、友人と共同で進行している楽曲制作が、構想から4ヶ月、今まさに佳境にあるのだ。


 録音されたファイルを互いにネットを介しつつ交換っこしていきながら、遠く離れたもの同士が一曲を制作する。素晴らしいではないか。


 さて、昨日、何を弾いたかというと、私が改造した擦弦弓奏ギターである。以前(2006-05-192006-06-23)、製作過程を紹介したが、その後、プチ改良が重ねられている。


 ビオラの駒を下駒に使用しているが、そのままでは弦高が高すぎるため、どんどん削られ、当初の半分くらいの高さになった。写真より更に低い。ビオラ奏者が見たら「馬・鹿」と呟くに違いない。私自身、ビオラの駒は不要だった気がしてならない。その辺の木材で充分だった(なぜ駒で弦高を上げるかというと、複数の弦を一本ずつ弾くためにはギターの構造上、下駒の高さを上げる必要があるため)。


 弦高が上がった関係で、フレットがあると却ってチューニングがまったく合わないため、写真では残っているフレットが、今や一本残らず引っこ抜かれた。また、最初はクラシック・ギターの5弦と6弦を張っていたが、音が細いので、より太いフォーク・ギター弦に替えた。音も太くなった。


 これまでもちょくちょく気が向いたときに演奏はしていたが、丸一日も弾くのは初めてだ。しかし、こんなものを一日中弾いていると、様々な副作用があることがわかった。

  • ギターの通常の構え方とは違い、立てて構えて弓で弦を擦るので、弦を押える左腕を一日中上げていることになり、弱っちいボクは鈍い筋肉痛を感じている。
  • 普通のギターよりも弦高が極めて高いので、激しく強い握力で弦を押さえなければならず、掌全体にひどい痛みを感じることとなった。
  • 普通のギターのように指先で弦を押さえるのでなく、指の腹で、しかもスライドなどを多用するので、そんな鍛えられていない部分、20分も弾くと耐えられないほど痛くなってくる。以後、軍手をはめて押える。
  • 弓に塗る松ヤニの匂いが、たまらなく好きになった。


 ということで、今日の私は左側に気をつける傷付いたソルジャーだ。癒されたい。ふー。しかし、私はこういうことを喜々としながら書くことが本当に好きだ。こんな読み物に出会っていただけた殆どの方にとっては、誠に、何の役にも立たない情報だろう。一応、どんな音が得られるかというと、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「毛皮のヴィーナス」でジョン・ケイルがギーギー弾いているチェロかビオラのような、のような、の・ような音が得られます。


 で、一日ギーコギーコと録音した演奏だが、採用されるかどうかは不明である。これで録音が完了すれば後はミキシングだ。そしてどこかで公開もされよう。