我が人生、ラジオとともに(大袈裟だよな)


 狂ったようにラジオを聴いた時期が人生に何度かある。これからもあるだろう。


 最初は高校生の頃で、ロックにはまったクソ田舎の高校生に出来る事と言えば、ラジオ聴いて、雑誌読んで、勘違いした衣装に身を包んだ勘違いしたバンドを組むことだった。まぁ、若いし、聴くものが何でも新奇であるから、闇雲に聴き、発見を楽しんだ。当時、ラジオから流れてきた音楽で、最も衝撃を受けたといえば、The Smiths のファースト・アルバムだったろうか。


 それから何年か後、ある日、ジェーン・バーキンが来日して歌った模様をやはりラジオ(TOKYO-FMだったかな)で聴いて「これからは英語のロック以外を聴く!」と、なぜか決意した憶えがある。あっちからこっちへ一気に行っちゃいやすい性格だな。そして行動に移した結果がNHK-FM「世界の民族音楽」であった。確かに決意、実行しているけれど、ジェーン・バーキン民族音楽は結びつかねーな。


 この番組の放送枠は何度か移動した記憶がある(スキマ番組だったんだろうな)が、一番聴いていたのは、毎日、午前中15分か20分か放送していた時代だ。その番組のパーソナリティを努めていた方々のお一人に、後に大学で教わることになるとは、この時点では思いもよらなかった。最も衝撃を受けたといえば、いや、超絶芸がありすぎて、ほとんど衝撃の日々だった。


 次に、比較的新しいところで2000年から2005年ごろ、よく聴いた。ジャンル、時代、民族、関係なく、雑食の胃袋で聴きまくった。エアチェックした内容をノートに記録していて、気になった曲にはコメントとかも書いていた。何冊もノートがある。一体、何のため、と問われれば、何のためでもないな、こりゃ。趣味に走った男の記録というか、記念碑というか、墓標というか。


 と、長年断続的に聴き続けてきて、民放のラジオ(FM)は喋りが増えたな、と思う。音楽より喋りの方が多いくらいだ。NHKは、あんまり変わらない気がする。まぁ、娯楽には才能ないのだろうから、営利に走らぬ超然とした番組作りを続けて欲しい。応援する。フレー!


 やはり全体としては専門局、演歌チャンネルとか(まず聴かないだろうけれど)、邦楽チャンネル(尺八とか琵琶の方ね)とか、北欧専門局とか、そういう方向へと進んで欲しいものだが、総合的な放送スタイルも昔からあまり変わらない気がする。しかし、ラジオには斬新な発見と衝撃の出会いがあるものだ。流すほうも楽しんでいるのだろう。番組表などチェックして気になる音楽と向かい合ってみるのも一興かと。ノートつけるとなおよろしいかと。