とある曲の制作日記

あらすじ


 人様の曲をカバーしてみたいと思った。5月初旬頃、手をつけていた幾つかの企てがまとまりそうだったので、では、と、カバーしてみたい曲を制作された方に思い切ってお願いしてみる。もともと、その曲は最初聴いたときから幽玄な曲調と異様なビートに魅力を感じていて、いつか、人様の曲をカバーできるような時が来たら是非コレ、と思っていたものだった。お願いしてみると快諾していただいた。我が楽団なりの解釈とアプローチで曲に新しい息吹を吹き込めれば嬉しいですね。


 快く提供していただいた、パソコンで制作された曲の作業ファイルは、ぱっと見、ぱっと聴き、暗号のように複雑で、非常に謎めいていた。頭で考える前に曲に合わせて楽器を弾いてみるのはどうだろう、と思い、何日か、曲にあわせギターをシャカシャカ弾いてみる。とりとめがなくまとまっていかない。いくつかのコードの組合せや、リズムを試す。決定打につながりそうなアイディアは見えてこないまま5月終わる。


 6月、やや焦りを感じ出す。おぼろげながらテーマはあるのだが絞り込めない。構成も然り。アイディアを録音してみるのだがまとまらない。とにかく、とりあえず絞り込めないままでも、これまで出たアイディアを総合的にぶち込んだデモを作ってみよう。行動。


6月17日
 終日、デモ制作。少し録音しては止めたり、延々とソロを奏でたり。ダメなアイディアと良いアイディアが選別されていく。パーカッションの方向固まる。弦楽器のリフの大まかな形できる。


6月18日
 デモ添削。全体の構成固まる。少々ありきたりに感じられていたテーマ案に我が楽団的な切り口を見出し、テーマが急速に絞り込まれていく。


6月19日
 歌詞できる。


 ようやく完成に向けての演奏・録音が可能な段階となる。ここからがまた長いかもしれない。ふー。



要約


 謎めいた曲と格闘し、急に閃いた。強引な行動も時には吉。