続・続・とある曲の制作日記


ここまでのあらすじ(6月19日6月27日の日報参照)


 人様の曲をカバー中。楽器の録音に勤しむ日々であるが、いざ完成を披露したら作者に怒られるんじゃないかとビクビク中。


6月26日


 クラシック・ギターの弦に、不要になったギターの弦を絡ませる。ブリッジの手前辺りのところへ。そして弾く。すると、サスティンが極度に短くなった「ブチ」っと、または「ベシ」っとした音が、びりびりとしたノイズを伴って響く。ピアノの弦に金属等を装着し雑音を得るプリペアード・ピアノという試みがあるが、こちらはプリペアード・ギターラである。ブチブチベシベシ弾きまくる。私はこの音が結構好きだ。


6月27日


 日本の笙に少し似たタイのケーンという楽器を演奏する。何本か束ねられた竹筒の中にリードが仕込まれていて、息を吹いたり吸ったりして演奏する楽器だ。演奏するったって、ぷーかぷーか音が鳴るばかりのこと。しかも音階が曲と全く合っていないという。が、まぁ、それも良いか、と。委細気にせず、と。


 続いて、クロマチック・ハーモニカを録音する。これは吹く・吸うおよびレバーの操作によって、一つの穴で4種類の音程が得られる仕組みになったハーモニカで、今日、およそ20年振りに演奏する。その間押入れの中に入りっぱなし。レバーの戻りが悪く、分解メンテから行なわねばならぬ。試しにレバーにリコーダー用のグリスを塗って拭き拭きし、更にレバーのバネを調整したところ快適な戻りが得られた。演奏してみる。いやぁ、出来ないね。出来るわけがない。もともと20年前にだって出来なかったのだから。曲を通じて五つぐらいの音しか吹いていない。


 だんだん、音の塊のようになってきた。良好。


6月28日


 エレキギターを録音する。とりたてて語るほどの事はない。毎度のことながら下手。ソロは二ヶ所。トルコ演歌のギターソロみたいな音を目指すが、ちょっと違うような気がする。さらに音の塊のようになってきた。全体的には良好。


6月29日


 ソフト付随のリズムマシンのパターン調整。原曲譲りのベースライン調整。付加効果。ますます良好。


6月30日


 映画見に行っちまった。


7月1日


 カズーを吹く。ぶーぶーぶー。熱唱する。あーあーあー。しかし、カズーを力入れて吹いていたら声が枯れてしまった。♪ぼくの青い声はいつの間にかこんなに、こんなに枯れてしまった(「ポップコーンをほおばって」 甲斐バンド)などと口ずさみつつ。古いね。


 あとはミキシングですな。短期集中録音、粗く拙いが勢いは格別だ。楽しかった。