帰路

帰路



 7月8日、我がウェブ・サイトおよび GarageBand Users Clubにて「帰路」という曲を公開させていただきました。よろしかったらお聴きください。「とある曲の制作日記」などとと称して3回ほど、この日報でその制作過程を綴ってきたものです。wo_sevenさん作「Neo-Fusion」という、洪水のようなビートの中に幽玄な美しさを湛えた曲をカバーさせていただきました。感謝します。




Download



詳細はこちらで。
移動式音楽班 おとのせかい


こちらでも大いに語らせていただいております。
GarageBand Users Club


原曲はこちらでお聴きいただけます。
Neo-Fusion / wo_seven



 私としては随分短期間でいくつものパートを集中して仕上げたものだ。演奏の方針を「勢い」のようなところに置いたので、やりだしたら面白くなって止まらなくなっちゃった。大部分は気ままにジャカスカと弾きまくったものです。原曲のしっかりとしたベースラインが軸にあり、色付けのパートは自由に出来て楽しかった。


 さてと、タイトルであるが、どこかに向かっていくストイックな姿勢って歌謡に散見されるテーマだと思うのです。言い回しはいろいろあると思うけれど、例えば「ゴール」とか「果て」とかね。で、まぁ、そんな目的達成してさ、いや〜、一仕事やったんで家へ帰るわ、わし、という状況をテーマに選んでみました。


 といっても一仕事にもいろいろありまして、日常の延長的なものなら、別に、行く前と帰ってきたときと同じ人でしょ、と思うわけですけれど、一仕事が儀礼のようなものだったらどうだろう、と。それならば、行く前と帰ってきた後とは別の人かもしれない。社会的なステータスが更新されるし、その人にとっては、例えば宗教的な恍惚とか、私は遂に体験したよ感とか、いやいや見てはいけないものを見てしまったのだ感とか、いろいろとあるだろう。よって、彼は彼だが別の彼になって戻ってくる。彼が戻る場所があなたの元だとしたら、今度は、彼は愛によって突き動かされている。


 彼が別の彼に生まれ変わる、その境界の向こう側に、何があるのか、何を見るのか、それはいろいろだろうが、一線を越えた鮮やかな記憶は褪せないだろう。また、愛にもそのような瞬間があると信じるものである。案外、人はその瞬間の記憶で生きられているのではないか。