ズーにて


 さて、と。
 5月の間中、音楽を一曲制作していた。なかなか困難な航海で(下手でね)、プライヴェートな時間の相当な割合をそれに注ぎ込んだ。没頭していたといってもよい。まだ完成ではないが、あとは編集だけという地点まで達したので、もろもろ、平素のプライヴェートに復帰する。


 4月の終わりごろだっけな、近界の城跡公園に併設された動物園へ遊びに行ったのである。割と斜陽なムードというか、終末観を感じさせるというか、そんな公営動物園である。市民としては、そういった斜陽施設マニア、或いはディレッタントを除き、あまり外部の一般人の目に晒したくはあるまい。




1.おでん看板


 「おでん」の看板・提灯などをみると反射的に写真を撮ってしまう。静岡のおでん横丁などでは狂喜して写真を撮ったものだ。なんとなく字面が好き。オデンデンデンデン(意味はありません)。
 おでん自体は、まぁ、確かに好きだ。好きさ。たまごとちくわぶさつまあげが好きです。






2.金網越し孔雀


 孔雀の装飾的な冠(あれってトサカか?)って、このように花火状・放射状に生えているのだな、という説明なしで、あなた、この写真何かわからないでしょう。私もパソコンに取り込んだ写真を眺めて「さー、何?」と思いました。写真が、下手すぎる。






3.孔雀闊歩


 だからさー、孔雀って好きなんだよねー。ゴージャスだし。オリエンタルだし。しかし、野郎、ゆらゆらと闊歩しておってうまくフレームに入らないのだよね。最も美しい尾の羽がフレーム外だぜ。動く標的をフォトに収める能力が全く欠けているな。確か、動体視力悪かったよな、俺。ときどきサッカー見ていて球どこいったかわかんないし。アイスホッケーはゴールしたかしないか100%わからないし。卓球は打ち返せないし。
(以上、筆者談)




4.オウム逆光


 オウムも好きなんだよねー。特に正面から見た顔が。しかし、連中もせわしなくちょこちょこ動いておるので、一体私に真正面顔など、到底フォトに収められまい。しかも
逆光だし。






5.モルモット累々


 私的に、このズーの主役、エースは、この夥しいモルモットである。しかし、一匹のモルモットは愛くるしいが、おい、これだけ累々と、さして広くもない空間にひしめいておると、非常に監獄的なものを連想させられ、なんとなく苦い唾が唾液腺から分泌されるのである。ちなみにモルモットは「くーくー」とお喋りする。つまりアンデスのクイである(参照)。



 一応、ライオンなどもいる。以前いたライオン(愛称:沢子)が死に、新たに二頭つがいで導入されたものだ(愛称不明。仮称:ニュー沢子,沢男)。が、寝ているだけの面白くもなんともない動物である。ちっともフォトジェニックではない。


 非常に不条理に感じたのは、ツキノワグマ(愛称:リキ)の居住スペースが、あろうことかウサギのそれよりも狭いことである。リキは狭い檻の中でストレス発散に怪力で丸太をドスドス振り回しているのに対し(こえーよ、リキ)、ウサギはひろ〜い柵内で「ちょこん」としているのである。まぁ、かわいいけどさ、うさぎ。


 ちなみに、高校生の時、私はこの城址公園でアルバイトにいそしんだものです。


 申し遅れましたが、くだらん写真はクリックすると少しは大きく表示されるようです。