夜は回る

umberto_viii2008-06-11



 昨年の9月頃だろうか、車を運転中にふとオリジナル鼻歌が口をつき、長いドライヴの最中だったこともあり、やがてそれは車内で喉も破れんばかりの絶唱へと発展していったのであった。


 ふっ、何てお馬鹿さん。


 さて、そんな曲だが、秋も冬も何の手もつけず、春になり伴奏を構成し、演奏及び録音を始めたのがこの5月初めのことだった。そこからジャカスカな日々へと私は突入していったのである。ジャカスカシーズン・イン!なのである。


 (注)我が楽団の座右の銘は「メランコリーとジャカスカ」である。ヨロシク。



 そんなことで、この数日、新しく制作した曲を公開させていただきました。もしよろしければ、物凄く暇な時にでもお聞きいただければ幸いなことです。



「夜は回る 立ち尽くす俺は、まるで踊っているかのようだ」


 GarageBand Users Clubバージョン


 移動式音楽班 音の世界バージョン



 二つのトラックの相違は、後者の方がトータル・タイムが6秒も長いことである。いわゆる、エクステンデッド・フルレングス・ロング・バージョンである(なんのこっちゃ)。6秒というと、もう、前者が7インチのEP盤だったとすると、後者は12インチシングル盤くらいの、物凄い違いなわけだ。


 ※実際、ほとんど同じです。どちらか一方でもお聴きいただければ感涙です。



 演奏に際しては、2ダースくらいの生楽器をぶち込む、というコンセプトのもと、途中何度も「もういいんじゃないの、これで」と思う瞬間もあったのだが、否と、ノット・イナフと、敢然と取り組んだ次第。それによってより良くなるということを求めぬ制作動機というものもあるのだ。


 ヴァイオリンのようにほとんど弾けない楽器やら(膝の上に立てて弾きました)、弾いたものの他の音に埋没してまったく聞こえない楽器など、いろいろと、やってみて初めて気付く組み合わせの妙のようなものも知った。


 それにしても何で2ダースの楽器をぶちこまなければならないのか、という点が第三者的な感性では至極当たり前の疑問である。それは、車内絶唱の馬鹿エネルギーを表現したかったというようなことと、だって、俺の制作物はメランコリーとジャカスカなんだぜ、という、まぁ、そんなようなことである。第三者的な問いに対してまったく答えになっていなかろう。


 簡潔に申せば、楽しかった。弾いていて笑みが漏れるというようなことは無いし、苦しい曲だが、楽しんだ。パズルを嵌めていくような、遺跡を掘り起こすような(掘ったことないけど)、そんな楽しみ。過剰なイメージの復元である。