pawpaw


 知人よりポーポーの実を20個くらい、たくさんいただいた。おうちにポーポーの木があるらしい。


 ところでポーポーって何?


 私もその知人に見せられて初めて知りました。フルーツです。果実はマンゴー的な、パイナップル的な、アニス的な、芳香剤のような匂いを外部に放っています。しかもとても強く。置いておくと家中がポーポー臭で充満します。


 調べてみると、バンレイシの仲間だということがわかった。バンレイシ、つまり釈迦頭、タイで食ったっけ。カスタードアップルとかシュガーアップルなどとも表現されていたと思うが、まさに仏像の頭のような、鱗のような果皮の下には、濃厚できめの細かい、柔らかく甘〜い果肉があり、それは私を唸らせた。うめぇー。


 雨季のインドシナをほっつき歩いたことが一度あったが、そのときには熱帯の恵みを季節のフルーツから存分に感じたものだったな。


 マンゴー、ドリアン、ジャックフルーツマンゴスチン、ライチ、龍眼、ランブータン・・・


 あぁ、熱帯よ。私はお前に焼き尽くされたい。


 と、熱帯を想う時、私は忘我の彼方へワープしがちだが、このポーポーという木は、バンレイシの仲間の中でも温帯で生育する種類なのだとか(すべてWikipedia仕込みのライトな知識)。


 それにしては、存分に熱帯臭を放つ果実だぞ。知人も「人によって好き嫌いあるでね、ダメな人全然ダメだもんでね」と長野県西北部方言で語っていた。


 よく熟してから食えとの指令通り、何日か放置し、外部から我が家に近づいてもなんだかポーポー臭を感じるほど、その匂いがすっかりしみついた頃を見計らい、いっただっきまーす。


 ナイフで半割りにしようとすると、内部にある種が邪魔をして難儀する。種を外すよう、果実の片側を削ぐように切ってみた。



 カスタードっぽいじゃん。なんだか美味そうじゃん。スプーンで果肉を掬って食ってみる。甘い。これは非常に甘い。バナナ並みに甘い。そして見た目の通り、カスタード的な食感もある。匂いは実際に食べる方が気にならないだろう。


 まったく温帯の、いや、我が家近界は亜寒帯ではないかという疑念は晴れないものであるが、そんな気候でこのような爆発的に甘い果実が実るとは驚く。病害虫もほとんどないのだとか(すべてWikipedia仕込みのライトな知識)。


 匂いか味か食感か、ダメな人は全然ダメらしいが、虫もよりつかんとは、謎めいたところもある果実だ。名前もまじないチックだし。


 種は大きな花豆のような、碁石のような風情です。これ庭に蒔けばポーポー生えるのかな。実がなるのかな。どうしようかな。やってみる?