曠野
既報の通り、一月ほど前にオートハープという楽器を購入し、以来、コツコツとほぼ毎日少しずつ練習を重ね、とにかく一曲レパートリーを作ろう、と打ち込んでまいりました。この度、その成果ないし経過と言えるようなものをようやく一曲、録音してみました。よろしかったらお聴きください。
「曠野逍遥」／移動式音楽班
※楽曲については下記サイトにてほどほどに語っております。
過去にウェブの大海に投下した「寒い国の老人の額に深く刻まれた皺に捧げる」と申す曲をオートハープ用に編曲しています。もともとの曲は一人では演奏困難だったこともあり、この機会にオートハープで挑んでみたわけです。
ちなみに元曲
さて、でオートハープの録音だが、過酷でした。一応、最初から最後まで通して弾き切った演奏を編集しないで（EQ調整とかリバーブはかけますよ）作品にする、という固い意志を事前に掲げて、私の書斎でのホームレコーディングに取り掛かったものだった。
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二時間もあればできると思っていました。甘かった。初日、二時間弾いて、最後まで弾き切ったのは二回だけだった。そしてその演奏は気に入らなかった。
二日目、今日こそ二時間もやればできるだろうと思っていた。甘かった。その日も最後まで弾き切れたのは三回だけだった。そしてやはりその演奏は気に入らなかった。
三日目、これまでの過程を練習・鍛練・助走・修行期間と思えば、今日の俺は最高のパフォーマンスをするに違いないと確信していた。驚いたことに二時間やって、最後まで弾き切れたことは一度たりとてなかった。凄いぞ、やっぱり下手なんだ、俺。
四日目、今日はみっちり時間をとりますよ。出来るまで先生許しましぇ〜ん。二時間やって一回。ちょっと外出して、更に二時間やって一回。その一回を採用しようかどうしようか悩みつつ、もう一回弾いてみて、まずまずこれ以上無理だろうと思えたものが、お聴きいただける演奏でございます。10時間で恐らく200回以上トライして、一曲弾き切れた回数が8回。怖くてとてもライヴなどでは弾けまい。前に進みません。
失敗の原因は、運指ミス、意図しない弦を弾いてしまったミス、意図していた音が上手く鳴らなかったミス、コード間違い、構成忘れた、ついついやーらしいこと考えた、などなどである。押える指先を注視していないと弾けないので、譜や、それらしきものは一切見ることなくやっていたわけだが、ちょっと集中が途切れるとすぐ間違える。
普段、ギターやマンドリンといったものは何か譜のようなもの見ながら弾いていたり、失敗してもそこだけ録音しなおしたり、割と適当にやっていることも告白しておきますが、シビアな縛りを己に課すのも、時には良いものだ。弾き切れた時には思わずこぶしを握りしめたぜ。
さて、しかし私はこの一曲で満足するためにこの楽器を購入したわけでもなかろう。更に曠野を進み、音を奏でていきたいな、と思っています。おっと、今年下半期の楽器トピックスとしては、ブズーキやエレキ大正琴や12弦ギターといったところも披露できるよう画策せねばなるまい。まったく、音楽、楽しい。
