緊急企画 第一回 昨年一年を振り返る。
やべー、振り返りたいことがまだまだあったのに、振り返る前に新年になっちまったよ。
まず、御報告があります。前回・前々回の日報で報告した、ウニクラゲの一件であるが、ぼくのねーさんが「はんぺんに塗るときっとうまいぞ」と閃き「ウニクラゲ塗りはんぺんのオーブン焼き大葉も添えて」という、一聴したところ無国籍な創作料理感覚に響くが、実際のところ単なる和+和+和という料理を開発した。
食ってみる。
む、怖ろしいほどに微妙だ。まじいと断を下すことは憚られるものの、うめえと断を下すことも憚られる。ウニクラゲパンよりはマッチしている気もするが、さりとてウニクラゲ+飯を超える何かを感じることはない。教訓としては、ウニクラゲ+パンというダイレクトな組み合わせでなく、今回のように大葉のようなハーブを加えることで、ソリの合わない二つの食材が中和する可能性がある、といった点だろうか。そうこうしているうちにウニクラゲの賞味期限が刻々と迫る。
さて、昨年を振り返る、といっても、まぁ、飯がうまくて酒がうまくて趣味もそこそこやれる程に生活が維持されていれば他に何も言うことはない。人生よ、現在進行形でありがとうである。
昨年制作したり参加したりして生まれた音楽
- 悲しみ 砂と楽師
- 安里屋ユンタ/歌謡渡来一味内蔵
- 面影 雨を乞う/歌謡渡来一味内蔵
- 春の気配
- 夜は回る 立ち尽くす俺はまるで踊っているかのようだ
- nutcracker boB/歌謡渡来一味内蔵
- 雨の競技場 ある呪術
- DIE TANZEN/反戦術的猫鼬
- 曠野逍遥
- 愛の記念に
自分の感覚ではそんなに作った覚えがないのだが、意外とやっているな。こやつ。
しかし、俺の楽団の名は移動式音楽班。参加ユニットが歌謡渡来一味内蔵と反戦術的猫鼬。なんじゃ、そりゃ。絶対売れねぇ。もっと、ピンキーとキラーズとか、ヒロシ&キーボーみたいな名前じゃないと。
まぁ、どうでもよいことでもあるが、しばらく以前から、あるコンセプトで音楽をやっていて、最終的にパソコンのハードディスクに音楽の記録を残すという行為に収斂されるのだが、基本的に私が生の楽器を弾いて作っています。私の音楽はトータルな価値観で考えて、サンプリングでもループでも打ち込みでもありません。映画に例えると、ハリウッド作品的な価値観ではあり得ません。
しかし、そうはいっても私はサンプリングやループや打ち込みをギミック的に導入することは極めて大好きちゃんであるし、演奏にエフェクトをかけまくることも大好きちゃんである。演奏、ギミック、エフェクト、どれがパンでどれがウニクラゲで何がその間を取り持つマル秘なハーブなのかさっぱりわからんが、そういうことである。それをもっとわかるようになりたいのである。
例えば、スリーピースのバンド形態などという既に確立されたスタイルは、先人が主張の激しい溶け合わぬ音を何かのマジックでひとまとめにしたスタイルなのかもしれないね。と考えると、私は私一人による、私が収集した楽器によって未だ形態をもたない楽団活動をやっておるわけで、既に確立しているスタイルだからといって、私の楽団にそれがそのままマッチするとは限らなかろう。
バスドラムの音は何のために必要なのか、スネアドラムの音は本当になければならないのか、なぜベースが導入されなければならないのか等々、私は一曲一曲自問自答し、私が思う答えの一例を音にし、マル秘なマジックを探したいと思うのである。馬鹿げている気もするし、演奏技術向上こそがマジックの道なのじゃ、たわけ!という脳内仙人の叱咤も感じるのであるが、まぁ、いいじゃん。
というようなことを継続して考えていた一年であった。
既によいお年をお迎えのことでしょうか。そうであることを祈ります。昨年は大変ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。