歌謡渡来一味内蔵のジゼル

ジゼル/歌謡渡来一味内蔵



これはある地方でヴィリスという名で知られている
踊り子たちの幽霊伝説である



 というナレーションで始まる曲を公開させていただきました。


 詞と曲および歌唱は嘉手苅みばさんです。演奏は私、ウンベルト8世こと移動式音楽班っす。弾いているものは、大正琴ベトナム製の口琴ベトナム製の木製の音具、中学生のときから使っている音叉、エレキギターです。いつもより少なめです。大人化しました。
(※大人のサウンドとは音数が少ないことを言うのである)


 よろしかったらお聴きください。


 ジゼル/歌謡渡来一味内蔵@GarageBand Users Club



 昨年の11月18日の日報大正琴のことを記しているが、このあたりの頃、私はこの曲をどう弾こうか考えていたものだ。オープンチューニングのギターで弾こうか、その頃入手した別の楽器で弾こうか、まぁ、そのあたりのテスト的な試行錯誤(脳内&実践)期間というのは、後から振り返ると大変に楽しいものである。


 で、リサイクルショップでたまたま比較的程度のよさそうな大正琴を発見し入手した時点で、そうしたプランを退け、大正琴をこの曲に導入することは確定的だったのだが、実際弾いてみて、思ってたよりは良い気がしないでもない。プレイのコツもあっという間につかんだし(暴言)。結構、自分としては、そうさな、U2みたいな感じで弾いていると思うし(W暴言)。


 また、弓でもギーコギーコ弾いているのだが、それも意外と良かったな。プレイのコツもあっという間につかんだし(T暴言)。まぁ、ビブラートはつけられないが。


 さて、大正琴という楽器には常に同じ音で鳴り続けるドローン弦と、ボタン操作で旋律を奏でられる複数の弦が張られている。そんな楽器のコンセプトとして西洋的な和音を奏でる(奏でられる)楽器ではない。


 みばさんの曲をプレイする時、この人の曲、和音なんていらねぇよな、と、なぜだかよく思う。例えば、和民謡をピアノ伴奏で歌ったり、ギター弾き語りで歌ったら、そりゃダサイよ、どうやっても残念ながらダサイよ、と私は思っているのだが(Q暴言)、どうもこの方の、このわらべ歌のような骨格を持った曲にも同じような感覚を感じたのかもしれない。ゆえに、行き当たるべくして行き当たった大正琴、なのかもしれん。


 とはいえ、いくつかの楽器のパートを重ね、歌い、結果として曲の伴奏になんらかの和音はあるが、わたしは全て単音による旋律パートを適当に弾いて重ねているだけなので、そこにハーモニーへの意図した理性はないし、全編で3和音を構成しているのかも知りません。メロディとユニゾンの旋律を阿呆のようにひたすら弾く時、その阿呆さへの迷いが吹っ切れた時、ユニゾンの奥深さと、自由さ、旋律の強度を知るのである。


 ふっ、決まったぜ。いつになく。どこからが冗談で書いているのか自分でもわからなくなったぜ。