「あ」から始まる


 ここしばらく腰痛である。
 座ってギター弾いているとか、かがんで野菜切っているとか、ちょっと猫背な状態が悪いのである。つまり、安らぎの休日における男の趣味の遂行、すなわち楽器いじり&料理が、私の腰を苦しめるのである。あぁ、愉楽とは苦行の果てのものか。あー苦しい。


 まぁ、そんなことはどうでもよい。珍しく音楽の話である(主に音楽のこと書く日報なんだが)。


 ふと気付くと、私はそもそも人がお作りになった曲を編曲したり変奏したりすることを結構やっているような気がする。いわゆるカバーというやつだ。民謡だとかクラシック音楽であるとか、著作権切れのものであるならまったく自由に公開できるし、それは演奏してなかなか楽しい。


 あるいはコラボレーションというような位置付けで人様と共同制作することもよくあるが、人様が作られた原曲があり、オケほとんどがオレ、みたいなこともこりゃまたよくあることで、それもまた、ある時点までは原曲のカバーをやっているようなものだ。大体、コラボレーション作品を作る際、結構自由にやらせていただいている記憶があり、皆さん、俺に優しくしてくれてありがとうと、それは後に曲を聴き返したりした際、痛切に感じる。


 ※私が関わったコラボレーション作品の一覧



 全然子供のころ、英国のスージー&ザ・バンシーズがビートルズの「Dear Prudence」と「Helter Skelter」をカバーしたのを聴いて、カバーって面白いのだな、と思ったものだ(参考リンク後述)。原曲から遠いところへも行けるし、原曲を更に濃縮したものも出来るのだなぁ、と。彼らはカバーの名手だと思うのだが、カバー曲だけで構成した『Through the Looking Glass』というアルバムも出している。


 まったく何の枷もなければ、私はどんな曲をカバーしたいと思うだろうか。ちょっと考えてみるだけで両手両足でも足りそうにない。とてもそんなに演奏できるとも思えないので、気が向いたときにここに書いて脳内で完結し満足したいと思う。


 今日は「あ」で始まるアーティスト。


赤い鳥 - 竹田の子守唄


 昔から放送自粛歌らしいが、よく知っている。胸に染みる曲だぜ。ソウル・フラワー・ユニオンの威勢の良いカバー(参考リンク後述)があるが、ター・タタ・ター・タタという長短のリズムの組み合わせが、背負った赤子を眠りに誘うものだと感じられるので、そこを強調する仕掛けを施したいと、私は思うかもしれない。赤い鳥よりもずっと遅いテンポで、子も老いも、聞いたもの全員が脱力して「ぐー」と眠りこけてしまうようなララバイ。あ、竹田の子守唄は著作権的には詞曲とも作者不詳の民謡扱いなんだ。



アドリアーノ・チェレンターノ - il figlio del dolore(悲しみの息子)

http://www.youtube.com/watch?v=G3TYDiXBmqw


 Adriano CelentanoとNada Malanimaのデュエット。

 イタリヤン。何を歌っているのかはさっぱりわからないのだが、きっと物凄く悲しい歌なのだろう。それは伝わってきます。
 私は中央ヨーロッパから西ヨーロッパにかけての流行歌については、アングロ・サクソン人ゲルマン人が作る曲よりラテン人が作る曲の方が概して好みなのであるが、なんというか、歌謡曲にも通じるような暑苦しい歌心とでも申しましょうか、微妙な「間」とでも申しましょうか、その辺に魅かれる訳です。要するにこういうふうに歌ってみたいぜ、という一曲。親父、その歌カッコよすぎるぜ、という一曲。男声・女声・スラブ系言語(何語?)で歌われるコーラスも含め、すべて自分で歌いたい。


 今日はこの辺で。続く。次は「い」。えぇ〜、「い」ですかぁ?


参考

The Beatles - Dear Prudence
http://www.youtube.com/watch?v=M-2lMstw6qs

The Beatles - Helter Skelter
http://www.youtube.com/watch?v=rInMQWpGpYg


Siouxsie And The Banshees - Dear Prudence
http://www.youtube.com/watch?v=uRZYeHGEwRo

Siouxsie And The Banshees - Helter Skelter
http://www.youtube.com/watch?v=szPQCvJ8MPg


ソウル・フラワー・モノノケ・サミット - 竹田の子守唄
http://www.youtube.com/watch?v=1-6F2sxaQVU