舞台の上 裸の一座
曲が出来ました。よろしかったらお聴きください。短いのでお手間は取らせません(約1分)。
ときどき眠りの中で夢を見ることがある。が、ほとんどは覚えていない。夢を見た、ということを思い出せる程度の場合がほとんどである。
ほとんど覚えていない中で、なんとなくぼんやりと思いだせる場合も時にはある。音楽関係の夢をみたことがあった。
ライブである。ライブをすることになっているらしい。私が。
メンバーのことはよくわからない。私が一人でぶっ放すのか、楽団の一員なのか、よくわからない。現場は、小劇場のようなところなのか、学校の講堂のようなところなのか、酒場なのか、何せ、夢なだけにそれもよくわからない。
道具である。さて。私は一つの楽器に打ち込むという人生を歩んでこなかったため、各種楽器を手を変え品を変えながら演奏し、楽しんでもらいたいと思っている。基本コンセプトだ。しかし、どんな楽器を現場に持ち込んでいるのか、把握していない。
持ち込んだ楽器を把握しようと、荷を解く。どんな楽器があるのかわからなければ、演奏する曲も決められない。マンドリンで演奏する曲をギターで演奏しろ、といわれても、私のレパートリィには、私の中でその辺の互換性がないものが多いのだ。
荷を解いても解いても、なんだか一向に把握できない。楽器のチューニングなどもしなければならないだろうし、アコースティックなのかエレクトリックなのか、その辺の方向性もわからない。リハーサルの順番も迫っている。
困っているうちに、なぜか既にステージの上に立ち、お客さんを前にしている。一人で臨んでいるような気もするし、いや、いざ私が演奏を始めればバンドがついてくるのかもしれない。だが、どんなコンセプトで?わからない。手には何だかわからないが、楽器がある。チューニングが合っているのかもわからない。
言い訳を考える。それは美しくないだろう。夢ですら、それはそう思う。
歌うべきか、なにか喋りでもして時間をつなぎ、態勢を整えるべきか。さぁ、俺よ。俺よ、どうする。
というような夢。まぁ、清々する夢ではねぇな。そんな夢を曲にした訳でもないのだが、舞台の上の孤独を歌ったものです。やっているうちにそういえばそんな夢見ることもあるなぁ、と思いだされたものです。
幾つかの楽器を演奏していますが、自分の中でほとんど打ち合わせなく、それぞれ一発に近い形で演奏・録音しています。一つ一つのパートを聞くと、恐ろしいほどの低級な腕前に頭を抱えました。
とはいうものの、こうして「じゃん」と全部まとめてブレンドすると、心象の中でデザインしていた音と、ある程度相似な音を紡げている気にもなる。細かいことは気にしないことだな。
裸で孤独の一座が、次に、これからどんな音を発するのか、楽しみなのか苦しみなのか、複雑な心境で楽しみにしているというわけです。
舞台の上 裸の一座