いちじく


 秋はいろいろと食い物が美味い。これは疑いようもない事実である。


 そうかといって夏も美味いし、春も美味いし、冬ですら美味いので、わお、地球は食いしん坊プラネットだぞぅ!と絶叫したい気持ちもやまやまだが、そんな俺の叫びを聞きつけた邪悪な異星人に地球が侵略されても、さすがに俺もそこまでの責任は取れんため、ここのところは「秋は美味」と、ほどほどな程度にとどめておこうじゃないか。


 さて、お手軽に楽しめる秋の味覚の醍醐味と言うとフルーツですね。列挙していくと小学生の作文ぽくなるのでやめましょう。今日私が訴えたいことはいちじくの魅力です。



濃紅に色づいた果実、細く尖った頭をつまみ、ぼてっと膨らんだ尻にかぶりつく
尻に開いた小さな穴
それはいちじく内部への入り口である
齧りとられた裂け目からルビイ色の内部が露わになる
舌の上には、ゆっくりと浸透していくような甘さがあり
口中の果肉を更に噛み潰すと、ぷちぷちとした非常に小さな固まりがはじけて消えた



 多分、お子様向けではないと思います。私も大人になって非常に好きになりました。


 八百屋などでいちじくが買い頃な価格で販売されていると迷わず購入する。そうそうビッグセールされている食材でもないが、チャンスと見るや購入するので、一シーズンに何度かは食う。たまんねぇ。