鼻腔と軟口蓋の接触


 私は今、明白に風邪をひいている。身体はそれ程だるくない。しかし、鼻の奥を通り抜け、鼻腔と軟口蓋の接点の辺りが、絶え間なく痛む。唾を飲み込むときなどは更に猛烈に痛む。これは軟口蓋が「嚥下時、哺乳時において鼻腔と口腔とを遮断する機能的役割を担う」(Wikipedia 「口蓋」の項より引用)ことに由来する現象である。まぁ、その瞬間、腫れたもの同士がくっつきあうのだな。苦痛である。人生を通じ、この地点における腫れたもの同士の接触によって、これ程甚大なる痛みが生じたことは記憶にないのである。


 まったく、こういった日々の雑事でさえ綴っておけば人生の良い記念になるものだ。そういえば昨年も風邪をひいてしばらく苦しんだときがあったぞ、と思い返す。そんなときにはこの「移動式日報」右上の検索小窓に「風邪」とタイプして検索してみれば(携帯で見たことがないので、mobile版でもそういう機能が使えるかは存じませぬ)簡単に引っ掛かる。どうやら昨年は洟に苦しめられたようだ。


 とにかく、私は決然たる決意を胸に医院へと向かう。既にこの症状を4日ほども放置しているのだ。その間、ルルを飲んだり、イソジンでうがいしたり、LOTTEの喉あめを10個連続で舐めたりしながらしのいできたのだ。


 もー、限界っす。


 しかし、私がその時点で立ち回っている町は、まったく藪医者都市とでも呼べるほどろくでなしの医院が林立する都市なのだ。


 以前、瞼の脇に何日間か耐えがたい痛みを感じ眼科へ行ったところ、


 「う〜ん、ドライアイだね。だと思うよ」
 「先生、目玉じゃないのです。瞼の横っちょの辺なのです」
 「う〜ん、なんともないと思うよ」


 と、その翌日、雅子妃も罹患した帯状疱疹の症状が一挙に噴出した者がいる。許すまじ。藪眼科め(※実在したらすいません)。


 更に、風邪をひいたので耳鼻科へ行ったところ、


 「じゃあ、レントゲンとろうね〜」


 と、鼻腔周辺のレントゲン撮影を敢行され、挙句「こんなにも怖い蓄膿症の恐怖」を院長から10分に渡ってレクチャーされ、他に診察まるでなし、という体験をした者もいる。初診料&レントゲン代で結構ふんだくられたぞ。許すまじ。藪耳鼻科め(※実在したらすいません)。


 そういう者達がおるのだよ。ふぅ。


 今日の医院はどうだろうなぁ。何言ってるのかわからねぇ、と町で評判の医院へ行ってみたのだ。言っていることはわかった。だが、患部を突っつかれたので余計痛くなった気がするぜ。泣いちゃったよ。おとなしく薬を飲もう。


 あと、今日の記念を、それなりに書き記すことにしようと思いました。あとで読み返すと馬鹿馬鹿しいので。