渋さ知らズ


 渋さ知らズのコンサートへ行ってきた(11月24日 於、まつもと市民芸術館)。


 二週間ほど前、ラジオのCMで偶然知り、即座にチケットを入手したのだ。よかった。以前から大好きで、生で見るのは初めてと、かなり楽しみにしていたのだが、それにしてもこれほど素晴らしいとは。


 ドラムス ×2
 パーカッション
 エレキ・ベース ×2
 キーボード
 エレキ・ギター ×2
 ヴァイオリン
 金管(トランペット・サックス類・チューバ) ×8

 ダンドリストの不破大輔(座って煙草など吸ったり演奏の指示を出したりしている)


 「玄海灘」というはっぴを羽織った男ボーカル兼MC(まるでアジテーター)、正統的な女性ダンサー、白塗り舞踊団 (山海塾を思わせる) ×4、バナナ(最後はしゃもじ)を持って2時間40分絶え間なくインドネシア舞踊をアレンジした風の踊りを続ける女性ダンサー ×2、ステージ後方で掛け軸に絵を描き続ける人


 メンバーは比較的流動的で、確か最大編成では40人を超えると聞いたことがあるので、この日は中規模な感じなのかもしれない。それでも大勢いますね。


 一応、テーマを演奏して、ソロを回していってテーマに戻ってくるので、ジャズといえばジャズなんだろうけれど、しかし、もっとゴッタ煮だなぁ。ロック、ラテン、演歌あるいは昭和歌謡、ジプシーブラスなど、いろいろな印象を受ける。今までも音源を聴いてそう思っていたが、生で見ると、更にショー的な要素を受け持つパフォーマーの力もあり、舞台全体がパフォーマンスになっている。どちらかというとアングラな、しかし突き抜けた。


 で、踊る。いや、みんな思い思いに観賞しているのだが、大勢は老いも若きも、縦に横に踊り狂う。終盤の「ナーダム」「本多工務店のテーマ」などの盛り上がりは素晴らしかった。おとなしくて控えめな私も踊った。声も出した。


 舞台奥の緞帳が開き、剥き出しになった舞台裏から巨大な龍が現れてくるセットにも息を呑んだ。とにかく、渋さ知らズを生で見ていない人は、彼らのスケジュールを調べ見に行くべきである。


 人は踊っている最中は小難しいことを忘れるだろう。私は踊れる音楽が一番好きだ。もっとも、おとなしくて控えめで小難しいことばかり考えている私は滅多なことでは踊れないのである。ゆえにこんな渋くない音楽が必要なのだ。


 しかし、まつもと市民芸術館、初めて行ったが凄いホールだ。オペラハウスかと思ったぞ。それは部外者をして松本市の財政に一抹の不安を感じさせるほどの豪奢な施設なのである。こちらも用あらば行くべきである。


 あ、あとそれから私もライヴやります。詳細はまた。