The Statue of Poem


 彫り物について、ふと思いつきました。



詩は、彫刻に似ている


言葉のユニヴァースの中から、イメージと共に数々の言葉を抽出する
それらは、この時点では決して詩ではない
ぶくぶく泡だった詩の元のようなものだ


それを
時にはノミを使い荒々しく削り
時には噛み千切ったり、引き千切ったり、とうとう粉々にぶちこわしたり
時には、そうっとなでるように
慎重な加減で息を吹きかけるが如く繊細に加工をし
ぶくぶく泡立った詩の元は
研ぎ澄まされ削ぎ落とされた詩となっていく


君を詩にするということは
君の像を言葉によって彫り上げることだ
君を君で語ることは詩ではない
この胡瓜は胡瓜の味がする、と
語るのと同じように、無意味だ


愛を詩にするということは
愛を愛で語ることでなく
愛という像を、あらゆる言葉を使って彫り上げることだ


君を愛しているのなら
君を愛してると語るのでなく
君を愛してる像を彫るのだ、言葉で
その像は、およそ君を愛してるとは結びつかない言葉で構成されているかもしれない
それどころか君を愛してるの8分の7くらいが、ノミで削られちまっているかもしれない


が、ある一点でも、その像が君を愛していることを表現していたら
それは詩である