世界の食卓から
私は世界のお料理研究にも勤しむ身なのであるが、ネットで料理レシピを拾っていて、プチ衝撃が走ったものを報告させていただきます。
「外国の家庭料理」より(素晴らしいサイトです)。
ナービット(Nabit)材料
* 金時豆:250g
* たまねぎ:中1個
* レモン:2分の1個
* レモンの絞り汁:小さじ1
* クミン:小さじ1
* トマト:小1個
* 乾燥したパン:適宜作り方
1. 金時豆を10日間水につける.1日に2回,水を取り換える.
2. 芽がでてきたら,新しい水で5〜8分boilし,たまねぎ,レモン,レモンの絞り汁,クミン,塩,刻んだトマトを加え,さらに10分boilする.
3. スープに乾燥したパンを入れ,豆の皮をむきながら頂く.
さて。金時豆を10日間水につける??
長い制作期間っすね。水取り換えなければ、そりゃあ腐るだろうね。
芽が出てきたら、なんだか嬉しいだろうね。
しかし、それだけの仕込み期間を要したものが15から18分のボイルで一品になってしまうのも、10日間の思い出が巡って名残惜しい気がするかもしれないね。
これを毎日味わうには、そりゃ毎日仕込みしなけりゃいけない訳だが、10日前に仕込んだものがきっちり毎日発芽しているものなのだろうかね。ありゃ、今日の発芽はなしよ、みたいなことになると、当て込んでいたスープが食卓から一品減よ。
「おや、今日の夕食はパンだけなのですか」
「ええ。豆の芽が出なかったものですから」
私のように物分かりの良い紳士ならばパンだけ食って寝るが、家庭不和の引き金になったらどうするのだ。リスキーなスープだ。
更に、ありゃ、今日は10日前の豆と9日前の豆と8日前の豆がなぜか同時に発芽しているぞ、てなことになると、スープ三倍増よ。
「おや、今日の夕食はスープばかりなのですか」
「ええ。豆の芽が超出て、いえ、激出て、てゆーか、爆出てしまったものですから」
とにかく豆まかせよ、この料理。そしてこの家庭。
スープの味はオリエンタルトマト味とでも形容できましょうか、それは悪くなさそうなのだが、金時豆もやしの豆の皮をむきながら食うって、なんだか食い辛そうだ。スープをすすり、浮き実のパンを食い、豆をスプーンですくい、すくった豆の皮をむきむきして食う。指で剥いたらあっちくねぇか?
ということで、自分で作ろうという気にちっともならなかったりするのだが、お子様の夏休みの自由研究(小学校低学年以下)などには良いのではないだろうか。ついでにエジプトについて研究するのもよいだろう(小学校高学年以上)。また、てっとり早く同じようなものを味わいたい、というならば、市販の豆もやしを投入すれば速攻で解決すると思われます。
いつか再びエジプトへ行くことがあったなら(一度行ったことがあるのです)間違いなく食おう。仕込んでいる様子も見せてもらおう。家庭円満状況もさりげなく聞き出そう。